【4】外的コントロール心理学の問題点
おはようございます。
「子育てを楽しくする7日間の旅(メール講座)」の4日目をお送りします。
今日お伝えするテーマは、ズバリ「不幸の原因」です。
目次
不幸の原因はなにか?
選択理論心理学を提唱したウィリアム・グラッサー博士は、精神科医40年の経験を通して、「不幸な人は、仲良くしたい人と仲良くできないという人間関係の問題を抱えている」と語りました。
仲良くしたい人と仲良くできないのは、「自分は人を思い通りにできる(あるいは、あの人の思い通りにしなくてはならない)」と、多くの人が信じている”外的コントロール”という心理学に原因があるのだ、と。
グラッサーは、”外的コントロール心理学”には「悪いことをしている人は罰せよ。そうすれば彼らは私たちが正しいということをするだろう。そして報酬を与えよ。そうすれば彼らは私たちが望むことをしてくれるだろう」という前提がある、と言っています。
そのような前提を持った人は、人をコントロールしようとして罰を与えたり褒美で釣ったりしながら、その人がしたくないことを強制しようする関わり方をもっていくんですよね。
この“外的コントロール心理学”が使われるとき、「個人の自由が損なわれ、人間関係が破壊される」ということをグラッサーは警告しています。
外的コントロールを使う人たちの信じているもの
“外的コントロール”を使う人たちは、「私の言うとおりにしない人を馬鹿にし、脅し、罰を与える、あるいは、言うことを聞く人に褒美を与えることは正しいことであり、私の道義的責任である。」ということを信じているといえます。
つまり “外的コントロール”を信条とする人は、「自分は正しいことを知っている」という立ち位置から相手と接しているのです。
そのため、人を自分の思い通りコントロールするために、罰したり褒美で釣ったりすることが自分の権利や義務だと信じて疑わないのです。
もし、親がこのような態度で子どもに接すると、どのような問題が起きるでしょうか?
子どもは親から遠ざかり、親は子どもに対して影響力を失います。
あるいは、子どもが従っている場合は、その親の言うことを正しいと受け止めているからではなく、罰が怖かったり、褒美が欲しいからでしかありません。
人間関係を壊す致命的な7つの習慣
選択理論では、”外的コントロール心理学”を信条としている人たちが持っている習慣として以下の7つをあげています。
- 批判する
- 責める
- 文句を言う
- ガミガミ言う
- 脅す
- 罰する
- ほうびで釣る
「自分のほうが正しい」と信じてやまない”外的コントロール”を信条とする人たちは、「わからせなきゃいけない!」と、”7つの致命的習慣“というアプローチをとってしまうんですよね。
しかし、この致命的習慣を選ぶことによる結果は、結局自分の思い通りにならないというストレスと、悪くなっていく人間関係です。
外的コントロールは自分自身のコントロールを失わせる
”外的コントロール”の問題点は、「本来コントロールできないはずのものを、コントロールできると信じて行動しているところ」にあります。
変えられない過去や、自分の思い通りにはならない他者に捉われている人は、自分自身のコントロールを失うことになります。
なぜなら、自分以外の誰かを思い通りにする力は、私たちにはないからです。
にもかかわらず、「そうできるはずだ!」「そうしなければならない!」と思って行動を繰り返すと、思い通りにならないそのことが原因となり、私たちはストレスに見舞われます。
ハンドルを離して車が進めば、事故が起こります。
「あの人の言う通りにしないといけない」と、自分の選択を放棄して相手の言いなりになってしまうことは、自分の人生のハンドルを離すことと同義です。
“外的コントロール”を信じることは、自分自身の握るべきハンドルを、他者に握らせることを意味します。
その結果、自分自身のコントロールを失ってしまうのです。
外的コントロールは関係を悪くし、不幸を生み出す
”外的コントロール”が用いられるとき、関係性は悪くなり、その壊れた関係の中で人間は不幸を感じるようになっていきます。
不思議なことに、ある場合には”外的コントロール”が使われるとき、短期的には功を奏しているように見えることがあります。
物事が思い通りになり、秩序正しくなっているように感じることがあるかもしれません。
目の前では、相手が自分の思い通りに行動したように感じるからです。
しかし、その行動は表面的なもので、内側からは動機づけられていません。
”外的コントール”的な関わりを続けられると、どのようなことが起こるでしょうか?
- 関係性が悪くなる
- 反発が起こる
- 表面と実際のギャップが生じる
- 自律が失われる
- 指示待ちになる
- 成長の基準を自分で持たないので自己成長できない
- 他律になる
”外的コントロール”で秩序が保たれるのは、その場限りです。
家や学校で使われれば、勉強の質も落ちていくことになります。
まとめ:外的コントロールを選択理論に置きかえよう
“外的コントロール”には問題点が多くあり、人と人との関係を遠ざけ、共同体や仕事の質を下げます。
コントロールできないものをコントロールしようとすると制御不能になりますもんね。
グラッサーは、この”外的コントロール心理学”の信条を、「自分をコントロールできるのは自分だけ」という”選択理論”に置きかえることをすすめています。
”選択理論”は人と人との関係を近づけ、上質を生み出します。
コントロールできるものに集中することによって、人生のハンドルを適切に握れたらいいですよね。
それでは、また明日!