【6】子どもは自ら学んでいくことができる
おはようこざいます。
「子育てを楽しくする7日間の旅(メール講座)」の6日目をお送りします。
目次
子育てにおける2つのスタンス
子育てには大きく分けると2つのスタンスがあります。
ひとつは「子どもは教えないとわからない」というもの。
この立場をとる人たちは、子どもに対して積極的に言い聞かせるということを実践します。
「うまくできたら、これをあげるわよ」
「ねえ、聞いてるの!?」
「だからやめてって言ったでしょ!」
こういった言葉かけがそういうスタンスの人たちの特徴と言えます。
子どもは親に教えてもらったことで、なにかを身につけていくということがありますが、多くの場合、子どもの意欲よりも親の見方や考え方に従うことが強調されます。
もう一方は「子どもは自ら学んでいく」というスタンスです。
この立場をとる人たちは、子どもに能力や意欲は内在しているので、子ども自身が積極的に学んだり、挑戦したりできるように環境設定に気を使います。
「頑張ったんだね。」
「どうしたらうまくいったのかな?」
(わからせたり、正解を伝えようとする意図のない言葉として)
「痛かった?大丈夫?」
このスタンスに立つ人たちは、小さな失敗を積み重ねることによって子どもが成長することを信じているので、子どもに失敗を許しつつ、共感するということを大切にします。
つまり、なんらかのチャレンジの機会を与えることによって、体験を促すことを大切にします。
ただし、教えたくなる場面で黙る必要があったり、自分が手伝えばすぐできるものを、子ども自身に任せることによって余計に時間がかかったりもします。
子どもは、そのようにして親にサポートしてもらい、共感してもらうことによって、自ら取り組んだことの結果を学ぶことになります。
背景にある2つの信条
「子どもは教えないとわからない」というスタンスは、「人は外側からの刺激に反応して行動する」と信じている意味で外的コントロール心理学にたった考え方。
「子どもは自ら学んでいく」というスタンスは、「人は内側から動機づけられる」と信じている選択理論心理学的な考え方といえます。
一方は子どもとの関係を遠ざけ、もう一方は関係を近づけます。
一方はやらされたという感覚が強く残り、もう一方は自分でやったという意識が強く残ります。
一方は子どもをコントロールしようとするもので、もう一方は、子どものことをサポートしようとするものです。
さて、このどちらが長期的に見て、子どもにとって、また親にとってより良い関わりと感じるでしょうか?
選択理論を信条とする生き方
外的コントロール心理学を離れ、選択理論を信条とする人たちは、
- 人は内側から動機づけられる
- 私は他人をコントロールできない。コントロールできるのは自分だけ。
- 人それぞれ欲求は異なる。だから歩み寄って調整を図ることが必要になる。
と、考えるようになります。
そのため、「相手が変わることが正しい」という思いを超えて、「自分がどうすることが最善か」という考え方をもって行動を選択するようになります。
自分が何を信じているかで、人との関わり方って大きく変わっていくものなんですよね。
身につけたい7つの習慣
グラッサーは、選択理論を信条とする人たちが日常的に使うコミュニケーションを、以下の「身につけたい7つの習慣」として説明しています。
- 支援する
- 励ます
- 傾聴する
- 受け入れる
- 信頼する
- 尊敬する
- 違いを交渉する(歩み寄る)
当然こうするべきだ!と思ってしまうのは、自分の方が正しいと考えているからです。
選択理論的に物事を見る人は、お互いが違うということを当然だと受け止めます。
だからこそお互いの違いを確認し、違いについていつでもそれを話し合い調整する気持ちがあることを相手に伝えます。<・under>
勝つか負けるかの精神でそれぞれ思いをぶつけ合うのではなく、
- 感じていること
- 考えていること
- 願っていること
を、お互いに分かち合いながら、より良い選択を探していくことが大切になります。
嫌な雰囲気を出すことで相手にわからせようとしたり、褒美で釣ろうとしたりすることなく、自ら主導権を取って相手とコミュニケーションをとり、お互いにとって良い道筋を探していきます。
そのためには柔軟性のある態度が必要になりますね。
身につけたい7つの習慣は人をコントロールするためのものではない
さて、この良好な人間関係を築く”身につけたい7つの習慣”をぜひ実践していただきたいとは思うのですが、一つ重要なポイントがあります。
それは、もしこの”身につけたい7つの習慣”を単なるテクニックとして捉えると、人を励ましたり、違いを交渉したりすることによって、人をコントロールしようということが起こってしまいます。
しかし、そういった目的でこの習慣を用いたとしても、相手との関係はなかなか近づくことはないと考えたほうが良いでしょう。
なぜなら、自分をコントロールしようとしてくる相手の行動を、人は敏感に感じ取り、反発するからです。
選択理論的な考え方は、あくまで「自分がコントロールできるのは自分だけ」という考え方です。
- 相手との関係を良くするために、この言葉を使っている
- 相手との関係を守るために、今のこの関わりを選んでいる
という土台となる姿勢が重要になります。
“身につけたい7つの習慣”で問われる私たちの姿勢や態度
“身につけたい7つの習慣”を実践することは、”致命的な7つの習慣”(4日目参照)をやめることよりも、少し難しいと言われることがあります。
なぜかといえば、”身につけたい7つの習慣”は、具体的な行動以上に、態度や姿勢を問われるものだからです。
「人は変えられないけれども、自分は変えられる。」
当たり前に聞く言葉ですが、それを生きるということは私たちにとって、努力を要するものです。
私たちは、このあり方を握ることによって、自分の人生のハンドルを人や環境のせいにするのではなく、自分自身の手に置くことができます。
まとめ
子育てにおいて重要なことは、まず子どもに対してどのように接するかではなく、子どもに関わる自分のあり方がどうなのか?というところです。
子どもを親がコントロールしだすと、反発が起こったり、あるいは、表面的な従順といった態度をとったりするようになります。
子どもは自ら学んでいくことができます。
だからこそ、彼らが自主的に良いものを選んでいくことできるようにサポートできたら、お互いに幸せに楽しく過ごしていけるはずです。
みなさんが支配とも放任とも違う、子と親の関係を築いていくことができるように、ぼくは祈っています。
次回は、全体のまとめとプレゼント企画のことも記してありますのでお楽しみに!
それでは、また明日!