悪いことばかりじゃない。ネガティビティの意味を考えよう
こんにちは。
すずきだいきです。
なんでもかんでも、前向きになんか考えらんないよ!
だいき
今日はネガティビティについてのお話です。
消極的な心の状態、自己否定的な心の状態のこと。
ポジティブ心理学というものを学んでいく中で、ネガティビティというものの価値や意味を考えるようになりました。
これまで、どこかで
ネガティブ・ネガティビティ=悪
と思っていましたが、そうではありませんでした。
人は誰しもネガティブな感情や思考を少なからず抱えて生きています。
ネガティブな感情を抱くことがまったくないという人がいたら、その人は感情自体がないか頭が究極に悪いかのどちらかでしょう。
さて、ここではポジティブ心理学者のバーバラ・フレドリクソンが書いた『ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則』から、ネガティビティというものがなんなのか?
そのネガティビティとどのように付き合っていったらいいのか?
ということについて考えていきたいと思います。
目次
ネガティビティとは?
ということは、この感情はあまり嬉しいものではなさそうです。
ネガティビティが調理されて出されたら、どんな味がしそうですか?
なんだか苦そうです。
ネガティビティに陥ると、人は「これじゃダメだ」とか「うまくいかない」と心配や否定的な思いを膨らませていきます。
人にはネガティビティ・バイアスがある
なぜでしょうか?
なぜ、人はネガティブなものに注目するようになっているんでしょうか?
それは、ネガティブな感情がもたらす効果を考えるとわかります。
ネガティビティが人にもたらすもの
もし、ネガティブな思いが人間から取り去られたらどうなるでしょうか?
「なんでもできる!」
「うまくいくに違いない!」
という思いに満たされている状態というのは気分はいいかもしれません。
しかし、もしネガティブ感情を一切排して生きていくとしたら、人間はどこかで重大な失敗をすることでしょう。
なぜなら、それは制御がきかない車を運転しているようなものだからです。
というのも、
「必要なネガティビティ」と「いわれのないネガテビティ」
ネガティビティが「必要なもの」か「いわれのないもの」かは、次のようにして見分けます。事実にきちんと向き合うことができ、そこから先に進めるならば、必要なネガティビティです。
ネガティビティは二種類に分けることができます。
- 必要なネガティビティ
- いわれのないネガティビティ
です。
1、必要なネガティビティ
- 事実にきちんと向き合うことができ、そこから先に進めるもの
- 元になった事実の重大さに見合う大きさ
泣いたり怒ったりしたとしても、それで状況が改善されるなら、そのネガティビティは悪いもんじゃありません。
また、自分のしてしまったことに罪悪感を覚えることも、経験から学ぶためには大切なことです。
2、いわれのないネガティビティ
状況に比べてネガティビティが
- 不釣り合いに大きい場合
- 繰り返す場合
- いつまでも続く場合
そういったネガティビティは不当なものといえます。
「ネガティビティ=悪」ではない
誤解しないでいただきたいことがあります。
「ネガティビティ=悪」ではない、ということです。
ネガティブ感情を取り去って生きるというのは、自分は事故を起こすことはないと信じきって、車をアクセル全開、ブレーキをまったく踏まないで運転するようなものです。
そんな暴走車がいたら危険ですよね。
だからこそ、ネガティビティとは適切に付き合っていくことが大切なんです。
ポジティビティとネガティビティの比率が大事
ポジティビティとネガティビティが適度な割合で組み合わさった場合は、これら相反する力が、人を力強く現実的にし、腹の据わった状態にします。適切なネガティビティが、必要に応じて引き戻してくれるため、現実を見失わずに済みます。
目標はネガティビティを減らすことであって、完全になくすことではないということです。時にネガティブ感情を持つのは当然で、それが有益な場合もあります。たとえば、大切な人を失った時の嘆き、不正と闘うための怒り、自分や子どもに害が及ぶもしれない時の恐怖、などは正しいネガティビティであり、有益です。適切なネガティビティによって、私たちは地に足をつけ、現実的で正直でいられます。
減らすべきは、不適当で不当なネガティビティです。適切なネガティビティは、人を正したり、発奮させたりする効果がありますが、いわれのないネガティビティは無益で不健康です。
ネガティビティは、私たち人間にとってブレーキの役割を果たす重要なものです。
しかし、ブレーキばかりを踏んでいても前に進めません。
これ、テストをして調べてみるとわかるんですが、結構ボジティブな感情の比率が大きいです。
現実の厳しい側面を見つつも、
ネガティビティは「反芻」される
私たちの心はしばしば、交通渋滞のような状態になります。何かが起きたとき、心の中で繰り返しそのことを考えてしまうのです。
心理学者はこのような思考形態を、「反芻」と呼びます。「ネガティブ思考」と「ネガティブ感情」が頭の中に繰り返し現れるのです。状況をあらゆる方向から見つめて、自分では「しっかり考えなくは」と思っていますが、実際には思考はどこにも向かいません。きりのない問いかけの轍にはまり込んで、打ちのめされて気力を失います。考えても、答えが見つかるどころか自信がなくなっていきます。
「人はネガティブ感情を持つと、わざわざ選んでネガティブ思考を呼び寄せる」ということが、研究の結果、明らかになっています。脳はそうやって働くようにできているのです。ネガティブ感情と視野の狭いネガティブ思考はチェーンの輪のようにつながり、互いにエネルギーを与え合って、人を引きずり下ろします。
「反芻」をし始めると、ネガティブ感情が増殖されるので、ポジティビティ比が急降下します。
しかし、メンタルヘルスやセルフコントロールの面から考えても、ネガティビティを反芻させていくということは適切なことだとは言えません。
もし、それをそのままにしておくならば、人は、コントロールできないことをいつまでも考え続けたり、不幸な感情を繰り返し味わったりすることになります。
ブレーキがない車も困りものですが、ブレーキばかりを踏んでいると前にも進めなっちゃうってことですね。
ネガティブな「反芻」から逃れる
ネガティビティ・バイアスを持っている私たちが、ネガティブな反芻から逃れるために有効な方法とは、いったいどんなものでしょうか?
バーバラ・フレドリクソンは、ネガティブな反芻から逃れるために、
- 自分が有害な反芻をしていると「気づく」
- 健全な方法で「気持ちを問題からそらす」
- マインドフルネスを養う
という3つの対策をあげています。
1、自分が有害な反芻をしていると「気づく」
ネガティブな感情になると、どうやっても自分でコントロールできないことを心配し続けることがあります。
その反芻から逃れるためにできることの1つ目は、「自分がしていることが有害なことである」と気づくことです。
同じことばっかくよくよ考えてもしょうがないよね。
太郎
2、健全な方法で「気持ちを問題からそらす」
- ジョギングをする
- 泳ぎに行く
- 手の込んだ料理を作る
- 漫画を読む
といった、マイナスのスパイラルから一時でも離れられるものを選ぶことはとても大事です。
真面目な人ほど、問題をいつまでも見続けちゃうんですよね。
自分にはどうしようもできないことをいつまでも考え続けてもいいことはありません。
- アルコール
- ドラッグ
- メディア
といったものには要注意です。
テレビやインターネットは気持ちをそらしてくれたりもしますが、場合によってはネガティブな内容だったりもするので気をつけてください。
3、マインドフルネスを養う
習慣になった思考が川床とすると、感情はそこを流れる川です。ネガティブ思考が生じることは避けられないにしても、時には、それが手に負えない勢いで流れ出すことがあります。「反論」も「気をそらす」ことも難しいかもしれません。こうなるとネガティブ感情にフタをしたり、無理やり押し殺そうとしがちです。しかしそれは精神的、身体的、社会的に悪影響を及ぼし、逆効果であることがわかっています。
そのような場合は、直感には反するかもしれませんが、ネガティビティに心を開いて向き合う方が健全です。ネガティビティの勢いを減じるのに有効とされる、3番目の方法はマインドフルネス(自分の思考や感情を、判断を加えずに認識する)を養うことです。
マインドフルネスとは、「自分の思考や感情を、判断を加えずに認識する」ことを意味します。
人それぞれ大切にしている価値観があるっていうことで、それはそれで大切なことです。
でも、そういった見方は、視野が狭まってしまう原因にもなりうるということを注意しなければなりません。
マインドフルネスは、その色付けられた世界を少し透明に見る機会を与えてくれます。
ネガティブな思いが頭の中にグルグルとまわっていく時に、マインドフルネスに取り組み、判断を加えずに今この瞬間に目をとめることで、狭まった視野が広がっていきます。
ちなみに、このマインドフルネス(自分の思考や感情を、判断を加えずに認識すること)は、スキルに分類できるものなんだそうです。
誰でも、訓練すれば鍛えられ、身につけられるということですね。
ネガティブに反論しながら、ネガティブを有益にいかしてみよう
ネガティビティは、現実の中の否定的な側面に光を当てます。
それを適切に理解し、消化することで、私たちはそれをより良い選択に活かしていくことができるようになります。
いわれのないネガティビティを反芻せずに、必要なネガティビティを消化し、広い視野をもって置かれている状況の中で最善と考えられるものを選択するためには、どのようなことができるでしょうか?
ひとつ、おすすめの方法があります。
恐れや怒りのようなネガティブ感情は、新たなネガティブ思考を生みます。ネガティブ思考とネガティブ感情の相互作用が、下降スパイラルをいっそう滑りやすいものにして、人を奈落の底に引きずり混むのです。
このサイクルをストップさせるには、ネガティブ思考に「dispute(反論)」するのが有効であることが、科学的に証明されています。優秀な弁護士のように、事実をきちんと検証して反論するのです。
ネガティビティに反論してみることで、現実に起こりうる否定的な側面を見ながら、現実に対して違う見方をしたり、別の有効な選択肢に目をとめたりできるようになっていきます。
ただ
まとめ
ネガティビティって悪じゃないんだ。でも、いわれのないネガティビティは反芻しないようにしたほうがいいね。
だいき
ある時には、私たちに牙をむくネガティビティ。
しかし、このネガティビティがあるからこそ、私たちは自分の歩みを適切に制御できます。
振り回されるのではなく、適切にネガティビティを活かしながら、生きることをもっと楽しくしていけたらと思います。