犠牲の先にある生産性。ぼくはそれを親指シフトで学んだ。
目次
スキルとはなにか?
スキルってなんだかわかりますか?
簡単に説明すると、訓練したり勉強をしたりして努力でどうにかすれば身につく能力のことです。
スキル(skill) とは通常、教養や訓練を通して獲得した能力のことである。日本語では技能と呼ばれることもある。生まれ持った才能に技術をプラスして磨きあげたもの、たとえば、音楽家の作曲能力なども含む。
近年は技術的な能力だけではなく、交渉力などの仕事を潤滑に進めるために必要な能力や、技術を証明するための資格、運動を行うための肉体的能力についてもスキルと呼ばれることが増え、コミュニケーションスキル、ビジネススキル、運動スキルといった言葉が使用されている。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/スキル
最初からギターを自在に弾きこなせる人はいません。
ギターを弾けるようになるためには、コードを覚え、弦を押さえる練習をしたり、ストロークの練習をしたりして、努力を重ねなければなりません。
ある程度のレベルであれば、誰でも身につけることができます。
これがスキルです。
牛丼屋でアルバイトをする人は、いつも同じ重さにご飯を盛る練習をします。
何度も練習すると、並盛り260グラムを一発で合わせられるようになっていきます。
これもスキルです。
やればできるのが人間
人間、やれば色んなことを身につけることができます。
- 料理
- 楽器演奏
- 語学
- 車両運転
- プログラミング
- スピーチ
- ライティング
- プレゼンテーション
- 営業
- レジ打ち
- 、、、
スキルを身につけることによって、仕事がうまくいって人の役に立ったり、人生が充実したり、外国の人と話せるようになったりします。
人間にはやればできることがたくさんあるのです。
やればできるのになぜ?
しかし、多くの人たちはスキル獲得を躊躇してなかなか踏み出しません。
なぜか?
それはスキル獲得には犠牲が伴うからです。
新しいことをはじめるよりも、なにもしないほうが楽だからです。
少なくとも短期的には、、、
だから、「仕事で求められて」とか、そういう消極的な理由がないと一歩を踏み出さないのです。
でも今、ここでお話ししたいのは、そもそもスキルっていうのは、いいもんなんだから犠牲を払ってもなにしても、その先にある素敵なものが手に入るんだったら身につけようじゃないかってことです。
スキルを身につけようとしたきっかけ
2013年の秋、ぼくが読書にはまり始めていた頃のことです。
当時のぼくは、本を読んだらなにかが変わると信じて、とにかくたくさん本を読んでいました。
しかし実際はなかなかその効果を実感することも、読んで学んだことを日常生活に生かすこともできていなかったんです。
今思うと、「たくさん本を読む」ということが目的になっていて、「なぜ本を読むのか?」「本を読んでどうなりたいか?」ということが曖昧だったんですよね。
なので、本からチャレンジを受け取っても、周りの環境が整ったらとか、なにかきっかけがあったらとか、外からの働きかけを待っていたように思えます。
でも一方、本を読んで変わりたいと願いながら立ち止まっている自分にもどこかで気づいていて、なにかをはじめる必要があるという思いが芽生え始めていたのかもしれません。
そんな変わりたいという思いをかたちにするきっかけとなった一冊の本があります。
ちょっと昔の本になりますが、経済評論家の勝間和代さんが書いた『無理なく続けられる年収10倍アップ勉強法』という本です。
この本を読んで、自分の勉強ついて考えたことが、その後の「学びの質」「生きていく質」に大きな影響を与えてくれました。
『無理なく続けられる年収10倍アップ勉強法』勝間和代
勝間さんは19歳の時に史上最年少で公認会計士の二次試験に合格し、今では経済評論家としてテレビなどでも活躍しています。
その勝間さんが、勉強を続けていく仕組みや、勉強を効率化させるためのツールやスキルについて書いているのがこの本です。
時間とお金を投資する価値があるものは、自分自身の生産性をあげるものであるべきだということが語られていました。
「親指シフト入力」とは?
ぼくと親指シフト入力と出会ったのはこの本でした。
いや、それなに?って方。ご説明します。
(ちょっと複雑で長くなるので、ローマ字入力ともかな入力とも違う、早くキーを打てる効率的な入力方式という理解で大丈夫です。)
・「ローマ字入力」と「親指シフト入力」の違い
ローマ字入力では、「こんにちは」という入力のために、
「k」「o」「n」「n」「i」「t」「i」「h」「a」
というタイピングをします。
最初にアルファベットを覚えれば、日本語も英語も難なく入力できるようになるというメリットをもったローマ字入力は、多くの人に選ばれています。
一方、親指シフトの入力では
「こ」「ん」「に」「ち」「は」
と発音のままにタイピングします。
じゃあ、かな入力と同じじゃんと思った方、もうひとつの違いを説明します。
・「かな入力」と「親指シフト入力」の違い
キーボードを見るとわかると思いますが、ローマ字がキーボードの三段におさまっているのに対して、かなの場合は、キーボードの四段を占領しています。
実はこれにはデメリットがあります。数字を入力する際には、日本語入力をオフするか、「いち」「に」「さん」と入力しなければなりません。
親指シフトはその問題も解消します。
ひらがなの入力が三段におさまっているんです。
というのも、親指シフトの場合、各キーに二つ以上の文字が打てる設定になっています。
親指の二つのキー(Macのぼくが設定しているのは左手:スペース、右手:かな)をシフトキー代わりとして、親指と同時押しで、キーを打つと、普通に打つのと全く違う字が入力できるという仕組みです。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/親指シフト
入力作業と生産性
パソコンを用いて文章を書いたりノートをとったりする際、キーボードでの入力作業は、そのすべての生産性に関わってきます。
おそらく、パソコンを用いて仕事をしている人たちにとっては、もうすでにブラインドタッチができる状態にあり、普通に作業する中での苦労を感じることは特にないかもしれません。
しかし、今よりももっと生産性を高くすることができる方法があるとしたら、それに興味はあるでしょうか?
おそらくこのブログの読者の方々のほとんどは、ローマ字入力を使っているはずです。
というのも、日本国民の9割以上が、文字入力の際にはローマ字入力を選択しているからです。
最初にアルファベットを覚えれば、日本語も英語も難なく入力できるようになるというメリットをもったローマ字入力は、多くの人に選ばれています。
一方、親指シフトはマイナーでそれを選ぶ人はわずかしかいません。
しかし、この入力方式こそが、生産性をあげていく大きな武器になるのです。
「親指シフト入力」のメリット
親指シフトのメリットは一体どこにあるのでしょうか?
・打鍵数が少なくて済む
親指シフトの入力方式では、キーボードの打鍵数がローマ字入力の六割ほどです。
なので、理論的にはローマ字入力の1.6倍の速さでの入力が可能ということになるわけですね。
これは手で書くよりも、圧倒的に速いスピードです。
ちなみに、入力競争コンテストでは親指シフトの人たちが上位を占めるというのも、一部の人たちには知られている話しなんだそうです。
・入力が速いと思考も進む
人間面白いもので、打つのが速くなると思考も速くなります。
ローマ字入力では自分の考えを一度アルファベットに変換してから日本語に戻すという作業が行われています。
そのプロセスを省略して、日本語でそのままタイピングできるようになると、しゃべるような感覚でワープロ作業を進めることができます。
なので、この親指シフト入力を身につけると、パソコンを使う時間に比例して生産量が変わってくるのです。
勝間さんは、今の膨大なアウトプットができるのも、この親指シフトが秘訣なんだと語っていました。
とにかくやってみた。
この本を読む以前のぼくは、本を読んでも読みっぱなし。
学んだからには、なにかしら自分に良い影響があるだろうという程度でした。
実際に自分に適用したり、アウトプットしたりということは、していなかったのです。
なので、せっかくインプットした知識も、自分が使いこなす知恵にはなりませんでした。
でも、そんな自分から変わりたいと思っていた時にこの本を読みました。
ぼくは、ここに書いてあるものを実践しよう、とにかくやってみようと思ったんです。
書いてあることを試してみる
一念発起して選んだのが、本の中で紹介されていた「親指シフト」の習得でした。
当時のぼくは、パソコン歴15年以上。
大学の時は、授業でノートをとるのにもパソコンを使っていたし、卒業してからも仕事で事務作業をしたり、話しをするための原稿を作ったりと、パソコンはよく使う方で、入力スピードにもそれなりの自信がありました。
でも、変えてみようと思ったんです。
生産性を上げるために、今までの心地よい方法を一度手放して、別の方法に切り替えるということをしてみたかったのです。
本を読んで変わるということを体験したかったから。
親指シフト練習開始
使っているMacのパソコンに、親指シフト入力を使えるようにするソフトをダウンロードして、練習を始めます。
まずは親指シフトのキー配列を覚える練習を、地道に繰り返しました。
中学生の頃、ブラインドタッチを覚えるために、タイピングゲームで練習をしたあの感覚です。
15年以上慣れ親しんでいたローマ字入力はなかなか頭から離れませんでしたが、少しずつ少しずつ。
移行期:ローマ字入力から、親指シフト入力へ
普通に仕事もしていたので、その時が大変です。
最初は、ちょっと妥協して、仕事の時にはローマ字入力、練習の時だけ親指シフト入力と使い分けていました。
しかし、親指シフトに慣れていくにつれて、両方の入力が混じってミスタイプも多くなってきます。
結局ちゃんと修得するためにもローマ字入力はやめようと決断し、親指シフト入力で仕事もするようにしました。
当然慣れてない入力では、仕事の効率も落ちますよね。
この時は歯を食いしばって、この先にはよいものがあるとシンプルに信じて頑張りました。
親指シフト入力の違和感
結局、ある程度の入力速度になるまでには三ヶ月ほどかかりました。
文字入力のペースは、ローマ字入力時代と変わらないくらいにはなったのですが、違和感はしばらく消えませんでした。
というのも、ローマ字入力時代の6割くらいのスピードでキーボードを叩いているからです。
普通の速度で文字が打てていても、キーボードを叩いている感覚としては、ものすごく遅いのです。
不思議な感覚でした。
もうローマ字入力には戻れない
練習開始から半年くらい経つと、ローマ字入力時代にはもう決して戻れないくらいの入力速度になりました。
生産性が落ちた三ヶ月の遅れも、すぐに取り戻せたように思います。
新しいものを身につける時のストレスや違和感と、それを乗り越えて身につけるスキルの価値をぼくは知ることができました。
サッカーでも、右足だけを使っている方が最初はうまくプレーできます。
両足を使い始めると返って違和感があって、うまくプレーできなかったりもします。
でも、それを越えると、なければならないものに変わっていくんですよね。
できないことを身につけていくプロセスを乗り越えた自信
新しくスキルを身につけるというのは、簡単なことではありません。
ぼく自身、思い通りに入力できなかった三ヶ月間は本当にストレスでした。
でも、親指シフトが身につきはじめてからは、もう前に戻ることもできないと、さらに練習に力が入りました。
仕事でも使わざるを得なかったという状況も、むしろ良かったように思います。
なにより、今までできなかったことを困難を乗り越えて身につけたという経験がぼくに自信を与えてくれました。
本当に小さな小さな成功体験でしたが、この経験によって、目先の困難を受け入れ、その先にあるより良いものを選ぶことができるようになりました。
修得期間は返って生産性が低くなるので、時間やさまざまなことが犠牲になります。
でも、その犠牲を払ってでも、次のステージに進むためにやる価値があるものを選んでいきたいと思えるようになったんです。
まとめ
スキル獲得には、犠牲が伴います。
でもその先に、手に入るものはやっぱりいいもんです。
犠牲を越えて、求めているものを手にすることができるか?
それは、変わりたいという思いと、それを越えた先に手にするものをどれだけイメージできるかにかかっています。
もし、一歩を踏み出して変わる経験ができたなら、その先の一歩はもっと簡単に踏み出すことができるようになっているはずです。
ぼくは、そんな一歩を応援しています。
親指シフトのきっかけになった本です。ぜひ読んでください!!
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