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「自責」と「他責」の思考がもたらすもの。原因ではなく解決を求めよう。

 
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ウェルビーイング・ライフコーチとして、身体的・心理的・社会的に充実した生活を送るための心理教育とコーチングを行なっています。

●ウェルビーイング心理教育ナビゲーター
●TCS認定コーチ

こんにちは。

すずきだいきです。

 

なにかうまくいかなかったときに、自分が悪いと考えるか、周りや環境が悪いと考えるか。

このどちらを選ぶかによって、物事の見え方、捉え方は大きく変わっていきます。

 

もしかすると、自分が悪いと考える自責の思考こそが、人を成長させる正しい考え方であり、周りや環境が悪いと考える他責の思考は、人に責任転嫁をする悪い考え方と捉えている方がいるかもしれません。

しかし、この考え方には、大きな落とし穴があります。

 

ここでは、自責の考え方と他責の考え方について考えていきます。

自責の考え方は大切で、個人を大きく成長へと導きます。

しかし、他責の考え方があってこそ、私たちはより良い仕組みや組織を生み出すことができるのです。

 

「自責」という思考

「自責で考える」という表現にある良い意味合い

「自責で考える」という言葉は、特にビジネスの分野では良い意味で使われることがあるように思います。

この言葉には、当事者意識を持って、自分にできることがなにかを考えるという意味合いがあるようです。

 

  • もう一度チャンスがあるとしたら、どうするともっとうまくいくだろうか?
  • この問題を乗り越えるために、自分にはなにができるだろうか?
  • どのようなサポートなら、自分にでもできるだろうか?

 

起こった問題の中に自分を登場させることによって、自分にはなにができるかを考えることができます。

成り行きに任せるのではなく、自分自身でコントロールできるものに目を向けます。

欠点を克服し、強みを活かすため役立ちます

このように考えることで、失敗や経験から学びを得て、成長へと向かう思考を身につけることができます。

 

「自責の念にかられる」という悪い意味での使われ方

一方、「自責の念にかられる」という意味で使われるときには、良い意味ではないようです。

このような使われ方をする自責という言葉には、自己批判や自己否定の意味合いが含まれています。

 

  • 自分のせいでこんなことになってしまった。
  • この失敗によってこんな迷惑をかけてしまった。
  • 自分なんていなければ、、、

 

自責の念にかられるとき、人は起きてしまった出来事に対する責任を背負いこみ、嘆いたり落ち込んだりします。

つながりから遠ざかり、孤立した行動をとってしまうこともあるのではないでしょうか。

 

自責の念にかられるとき、人は自分に対する信頼感が下がるので、誰かを頼るということが難しくなります。

自分の存在や行動を”他者は迷惑だと評価するはずだ”という思い込みによって、人とのつながりを減らしてしまうのです。

起こったことについてクヨクヨと思い悩み、次に向かう勇気を持てないということもあります。

 

自己肯定感や自己効力感が低い人が、自責で考えようとするといつの間にか、自分を攻撃するような思考になっちゃうことがあるんですよね。

ネガティブスパイラルが発生して、余計に自分を苦しめることにもつながりかねません。

 

「他責」という思考

「他責」という言葉にある悪い意味合い

「他責的思考」という言葉は、一般的に悪い意味合いで用いられることが多いようです。

他者批判や否定に繋がるメッセージを含んでいることが、その一因かもしれません。

 

  • 自分でできることを放棄して、周りのせいにする。
  • 自分以外の責任者や部下に、責任を押し付けてしまう
  • 責任のたらい回しをはじめる
  • 問題は自分にはないと言い張り、そこから一歩も動こうとしない

 

このような考え方をする人の心の中には、スネたり、責任逃れをしようとする自分がいます。

 

そのため

  • 「自分は一生懸命やっているのに!」
  • 「自分だけの責任じゃないのに!」
  • 「あの人がああ言わなければ、こんなことは起こらなかったのに!」

といった言葉が出てくるのです。

 

他責思考のバッドサイクルに入ると、自分で手に取れる最善の策を手放してしまい、人に責任を押し付けることばかりに心が向いてしまいます。

問題の原因ばかりに目が向いてしまい、現実にある問題を解決することは何か?ということに関しては通りすぎてしてしまうのです。

 

このような考え方は、周りの人たちに自分のハンドルを委ねてしまう考え方ということができるかもしれません。

コントロールできない他人や過去に執着して、自分や未来に対してできることを手放してしまっているのです。

 

「他責」の考え方から生まれるもの

ただ、この他責的思考はデメリットばかりではありません。

なぜなら、この他責の考え方には大きな成長や改善の芽が埋まっているから。

 

結局、いくら自分の責任だと考えたところで、注意するだけでは限界があるのです。

だから、自分ですべてを解決しようとするのではなく、周りの助けを得る必要があります。

 

特に、チームで仕事をしている時には、誰かの失敗を自責で考えさせるだけではなく、チームで共有して改善策として取り入れて行くことが重要です。

そもそも個人の失敗をゼロにすることはできません。必ず起こりうることなので、それを責めるよりも、それが起こらない環境づくりをするほうが懸命といえます。

 

また、何でもかんでも一人で背負うのではなく、適切に誰かに頼ることというのも重要な視点です。

自分でできる限りのことをするとして、一方で、他の助けを得られる方向に視点を向けることにも大きな価値があります。

 

「なぜ?」という原因追求ではなく、「どうしたら?」という解決志向で考える。

自責の念にかられる考え方も、他責的思考にある批判的な考え方も、共通して言えることは「なぜ?」という原因追求の視点から生まれるものです。

原因追求をすればするほど、自己否定にさいなまれたり、他者批判に陥ったりしてしまうのです。

 

しかし、「どうしたら?」という解決志向で考えるとき、

  • 自分には何ができるのか?
  • 周りの助けを得るためにばどうすればいいのだろうか?
  • 環境を整えるためには何ができるだろうか?

といった成長や学習の視点を持つことができます。

 

個別ではなく、システムで考える

物事の一側面しか見ることができないと、最終的には問題を誰かのせいにして「もっとちゃんとやれ!」みたいなことしか言えなくなっちゃうんですよね。

そうすると相手からは、あまり力のない「頑張ります」「次からはもっと注意します」といった言葉しか聞くことができなくなります。

そのような組織で働く立場の低い部下は、サポートを感じることができずに、苦しむことにもなるわけです。

 

  • 「なんかサポートしてくれないのかな?」
  • 「そもそも仕事のバランスが良くないんじゃないの?」
  • 「ミスが起こらないようになる仕組みって作ってもらえないのかな?」
  • 「下のミスばっかり指摘してれば給料もらえるだなんて、いい身分だよな。」

といった愚痴が溢れてきてしまうこともあるでしょう。

 

ここに潜んでいる病理は、その人が抱えている状況や背景を考えずに、部分だけを切り取って責任を押し付けるところにあります。

しかし、そのところにある過去や背景、状況を含めてもっと大きな視点で考えると、より良い解決策や改善案を見いだすことができるようになります。

 

  • 組織としてこのようなミスが起こらないためにできるかことは何か?
  • 全体の仕事のバランスに偏りはないだろうか?
  • そもそも、ちゃんとコミュニケーションができているだろうか?
  • この報告書はもっと簡単にできないのだろうか?
  • 今ある不満を取り除くためには、どのような手立てを考えられるだろうか?
  • お互いの考えを、可視化するためにはどのような方法が取れるだろうか?

 

個別ではなく、システムとして考えること。

これ、特にリーダーとして組織を導いていく人には重要な視点です。

 

まとめ

なんかずいぶん楽になったな。

だいき

自分でできることに集中しつつ、周りの助けを借りることも考えること。

これってすごく大切なことですよね。

 

自分ですべてをやろうとするのでもなく、誰かのせいにして押し付けるのでもなく、チームや会社、組織の全体としてできることを考えると、もっといい道が見えてきます。

 

では、今日はここまで。

 

学んだことで生き方を変えよう!そして一歩を踏み出そう!

 

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