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たとえ達成できなかったとしても価値がある。目標を掲げて努力することの意味。

 
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ウェルビーイング・ライフコーチとして、身体的・心理的・社会的に充実した生活を送るための心理教育とコーチングを行なっています。

●ウェルビーイング心理教育ナビゲーター
●TCS認定コーチ

「子どもの頃から、目標を持って努力するのが好きなんです。その努力が結果として出るのは、嬉しいじゃないですか。」

「よい結果が出なかったからといって、後悔もしていないし、恥ずかしいとも思っていません。なぜならば、できる限りの努力をしたからです。」

ーーイチロー

 

こんにちは。

ウェルビーイングライフコーチのすずきだいきです。

 

あなたは毎日の生活や仕事の中で「いつまでにこれをする」という目標を持っているでしょうか?

目標とその結果の関係性については、心理学でも研究されています。

 

その研究の結果、目標は掲げるだけで、(それがどんなに壮大であったとしても)達成への可能性を高めるものであり、もし達成できなかったとしても、掲げて努力することによってより幸福になるということがわかっているんだそう。

ここでは悠木そのまさんの『ハーバード流幸せになる技術』から、「目標」が持つ意味や価値をお伝えします。

 

目標の役割とは何か?

(心理学者のタル・ベン・シャハーは、)目標の役割について「私たちを解放することにある」と述べています。

目標が明確ならば、行き先のない旅のように、「今、どこにいるのか?」という不安や「どこへ辿り着けるのか?」という心配から解放され、「今ここ」を楽しむことができると、…いうのです。

悠木そのま『ハーバード流幸せになる技術』p.122

 

出かけるときに、「今どこにいるか?」と、「これからどこに行くのか?」ってすごく大切な情報ですよね。

もし、目的地も現在地もわからなかったら、不安になること間違いなしです。

 

しかし、人生では、その日暮らしをしていて、「今どこにいるのか?」「これからどこに向かうのか?」ということについて考えていないという人も少なくありません。

あなたは、よくわからない「漠然とした不安」に襲われるようなことはないでしょうか?

もしかすると、それは現在地と目的地が曖昧なことによるストレスなのかもしれません。

 

もしあなたの人生に、「こうなりたい!」「ここに行きたい!」「こんなふうに生きたい!」という目標を設定すると、明日からの1日はどう変わるでしょうか?

 

目標には、「今どこにいるか?」と「これからどこに行くのか?」の指標となり、私たちを心配や不安から解放する役割があります。

 

目標を立てることへの恐れ

目標を立てることが重要なことで意味があるということは、昔から知られています。

 

しかし、それでも自分事として考えてみると、目標を決めて掲げるのに抵抗があるという人もいるかもしれません。

目標に縛られるのは嫌だし、立てた目標に向かって、まったく行動していない自分には出会いたくないものです。

 

毎年年始に

  • 今年は何キロダイエットする
  • 早寝早起き
  • ◯◯に挑戦する
  • ◯◯円稼ぐ

なんていう目標を立ててはみても、まったく達成されずに一年を終えてしまうということも、よくあるのかもしれません。

 

自分で行動する目標を立てるためには、自分を信頼する必要があります。

自分を信頼しなければ、私たちはそのように行動するという宣言はできないからです。

 

しかも、宣言をしただけでも不十分です。

実際は宣言をした自分の指針となる目標に向かって、自分を裏切らないように精一杯の努力をすることが必要となりますから。

 

確かに、人は口にするだけで少なくとも目標を達成する可能性は高まるということは、科学的にも証明されていることです。

しかし、それがその人の喜びなり、幸福へと導いてくれるかはわかりません。

 

なんでもかんでも目標にすればいいのではなく、自分にとって意義があり、成長につながる目標を掲げることが必要だということなのでしょう。

 

“意味のある目標”の3つの要素

「もっと幸せになり、もっと成功するために望ましい方法は、自らを鼓舞する”意味のある目標”にを見つけ、それに向かって努力すること」であると、ポジティブ心理学者のソニア・リュボミアスキーは述べています。

 

彼女が掲げた”意味のある目標”の3つの要素がこちら。

  1. 自分で選んだ目標であること
  2. 回避目標よりも接近目標であること
  3. 新しい活動に挑む目標であること

 

意味のある目標は、情熱と意欲を育て、モチベーションを高めます。

 

1.自分で選んだ目標であること

意味のある目標を掲げるためには、他人から勧められたことや、他人が自分に求めることを目標にするのではなく、自分で選んだものを目標に掲げることが大切です。

 

なぜなら、自分で選んだ目標を追求することによって、人が求める基本的な欲求である

  1. 自己決定への欲求(自分の行動をコントロールできる感覚)
  2. 有能感の欲求(まわりの出来事に対処できる感覚)
  3. 関係性の欲求(人間関係に満足している感覚)

が、満たされていくからです。

 

目標に近づくために自分ができる行動はなにか? と、問いかけ試行錯誤することによって、目標に向かって自分の行動に変化を起こす術を理解できます。

それによって、自分の行動をコントロールできる感覚が得られます。

目標にはさまざまな障害や困難がつきものですが、目標にフォーカスし続けると、それを乗り越えるための、よりよい選択肢を見つけることができ、有能感の欲求が満たされます。

また、目標に目を向けて一生懸命行動する時に、人から助けを求めたり、誰かを助けることができるように成長していきます。

それによって関係性の欲求が満たされていくのです。

 

2.回避目標よりも接近目標であること

目標の結果、何かを近づけるのか、何かから遠ざかるのか?

これが回避目標か接近目標かの違いです。

 

たとえばパートナーシップを例にとってみましょう。

パートナーとケンカをしないようにする、というのは回避目標

パートナーと仲良くなるために、一緒にカフェに出かけるというのであれば接近目標です。

 

「回避目標」を主に追い求める人は、「接近目標」を主に追い求める人よりも、不幸で、不安を感じ、苦悩が多く、健全でないことを示す研究が次々と発表されているんだそう。

一方「接近目標」を追い求めると、やる気や成果にプラスの影響があることがわかっています。

 

同じ結果を求めていても、やりようによって回避目標にも接近目標にもなります。

目標を立てる時には、ぜひ「接近目標」を採用してみてください。

 

3.新しい活動に挑む目標であること

 リュボミアスキーはケン・シェルダンとともに実験を行い、新しい活動を追求する目標と環境を変える目標の効果を比べました。6週間後、前者のグループも後者のグループも以前より幸せになったと答えたものの、12週間後には、新しい活動を追求したグループだけが「幸せが続いている」と答えました。

「自分の環境をよりよくしていこうとすること」と「新しい活動を始めること」を比べると、環境を求めた人が努力した場合、しばらくの間幸福になるものの、「快楽順応」を経験するリスクがあり、その新しい環境に慣れてしまうということが知られています。

一方、活動の変化に対しては適応せずに、そのことによる幸福感をしっかりと受けとめることができます。

 

つまり環境の変化によって起こる幸福感は慣れの影響を受けやすく、活動の変化によって起こる幸福感は継続しやすいという違いがあるということですね。

 

報酬がもらえなくても、やりたいと思えるかどうか?

ソニア・リュボミアスキーは「目標は達成できなくても、単に努力しているだけで、より幸せになる」と述べています。

様々なデータが「目標の追求が人を幸せにするかどうかは最終目標(夢)の達成ではなく、そのプロセスを楽しめるかどうかにある」ことや、「万一、目標を達成できなかったとしても、ただ努力しているだけで、より幸せになる」ことを示しているんだそう。

 

夢や目標を追い求めて一生懸命努力すると、私たちは人間的に成長し、コミュニティにも貢献できるようになっていきます。

 

先ほどの意味のある目標の3つの要素が詰め込まれた目標を立てるために役立つ究極の質問があります。

 

それは、

「報酬がもらえなかったとしても、やりたいと思えるかどうか?」

というもの。

 

もしこの質問に「YES」と答えられるような目標であれば、その目標に向かって行動している喜びは、比較によって奪われるようなものではなく、誰かから決められたようなものでもなく、プロセスそのものを楽しめるあなたの情熱に紐づいたものであるはずです。

 

報酬によって喜びが左右されるのではなく、プロセスそのものを喜ぶことができるからこそ、達成できなかったとしても、より幸せになるということなのでしょう。

 

たとえ、目標を達成しなかったとしても…

そういえば2018年、ロシアのW杯で16強まで進んだサッカー日本代表の顔、本田圭佑選手が、ベルギー戦で敗退した後のインタビューでこんなことを言っていました。

 

「色んなことを僕は発言するタイプではあるんですけど、
一番自分が示したかったのは行動。

それは、今回のワールドカップで結果を出すことだと思っていたので、
全く期待されていなかったところから、いくつかの行動を起こしたことで、
少しでも、まあ、日本のサッカーファンの皆さんに、諦めなければ少し、物事を好転させることは、どんな状況でもあり得るんだというようなところは示せたんではないかなあと、

これは僕の人生の哲学でもありますので、
言ったこと、口に出したことをとにかくやる。

確かに結果が、もちろん、自分の思い描いたものではないんですけれども、それでもなんらかの成果は出る。
そのなんらかの成果は示せたんではないかなと思います。

お疲れ様です。」

ーー本田圭佑

 

本田選手って、高い目標を掲げる人なんですよね。

そして、彼にとって「言葉にして宣言すること」と「行動すること」は切り離されない一つのことでした。

 

言ったことをやる。

自分を信頼し、全力を尽くすことによって道を切り開いてきた本田選手の大切にしていることです。

それによって多くのことを成し遂げてきたのはご存知の通り。

 

振り返ってみると、本田選手の発言は、成し遂げられたこともあれば、成し遂げられなかったこともあります。

 

たとえば、

「ワールドカップで優勝する!」

「レアル・マドリードに入ってバロンドール(年間最優秀選手賞)を獲る!」

といったもの。

 

では、これらの本田圭佑選手の目標は無意味だったんでしょうか?

達成できない目標なら掲げないほうがよかったんでしょうか?

 

そうではないはず。

結果、目標を達成できなかったとしても、夢中になって努力し、成長していくことができたのは、諦めずに目標に向かって努力し続けてきた成果なのです。

そして、目標に向かって一生懸命努力を続けたプロセスそのものが、本田選手にとって価値のあるものだったのでしょう。

 

本田選手は自分自身を信じ、思いを口にし行動しました。

完全に思い通りにはならなかったとしても、そのことがなんらかのポジティブな成果にはつながったといえるのではないでしょうか?

 

ロシアワールドカップの前にも、日本中はサッカー日本代表の直近の監督交代や、成績の悪さに注目して、グループリーグを突破することすら無理だという人たちであふれていました。

しかし、選手たちはそこでネガティブになるのではなく、目標に向かって自分たちの可能性を信じ、持っている最大限をプレーに出すことに集中しました。

その結果、見事にグループリーグを突破し、優勝候補のベルギーをあと一歩というところまで追い詰めたのです。

 

もし、この時に、日本代表のチームが、自分たちの実力をグループリーグ敗退程度だと信じて、「それも仕方がないよね」というマインドでいたら?

おそらく、今回のような結果を得ることは難しかったのではないでしょうか。

 

W杯前は日本全体のムードと、日本代表の選手インタビューから伝わってくる言葉の勢いにはすごくコントラストを感じました。

ある見方をすれば日本代表の選手たちは、日本社会の空気を読めていなようにも見えました。

 

しかし、一方で選手たちは自分でやるべきことに集中していたということができます。

比較によって役に立つこと立たないことを語る外野に対して、日本代表のチームは、自分たちのパフォーマンスをあげるためにすべきことに集中していたのです。

 

失敗か? 成功か?

それを外野がどうこうと評価したがる時代、評価の言葉がインターネットをはじめ、そこかしこで目につく時代に私たちは住んでいます。

しかし、外的な基準に左右されるのではなく、当事者として自らの可能性に集中し、自分でコントロールできることに集中した彼ら日本代表は、目標に向かって一心に努力したものにしか味わえないものを味わうことができたのです。

 

報われる努力と、疲弊する努力

 人が成長するためには、現状に甘んじることなく、より高みをめざすことも必要です。けれども、際限のないランニングマシーンの上を走り続けるのは、空しいことです。

私はいつの間にか、そのランニングマシーンに乗っていました。そして、ランニングマシーンの上を走り続ける努力に疲れ切り、そこでやっと「努力」には2種類あることを知りました。

それは、「勤勉」と「徒労」です。

悠木そのま『ハーバード流幸せになる技術』p.143

 

目標へと向かって努力する時にも、それが報われる努力なのか、疲弊する努力なのか?ということの分かれ道があります。

それは、「勤勉」であるか? 「徒労」なのか? の違いです。

 

勤勉という努力は、心から追求したいと思う”意味のある目標”に向かうものです。それは努力するだけで、より幸せになれるもの。

一方で徒労は、外的基準や社会的な比較に基づく目標を目指すものです。努力をすればするほど疲弊していきます。

 

徒労に終わる努力は、結果として目標に到達したとしても、快楽順応という人間の性質によって、すぐにその幸福感に慣れてしまったり、人と比較して常に劣等感を人に抱かせるもの。

しかし、勤勉でいることができるのならば、目標に到達しなかったとしても、私たちは自分を好きになれるし、自分への信頼をさらに高めてくことができるのです。

 

まとめ

こんな目標に向かって努力していったら、すごく人生楽しくなりそう!

だいき

目標に向かって一生懸命努力するってすごく素敵なことですよね。

 

あなたにはどんな目標がありますか?

どんな目標を掲げて努力すると、毎日がもっと楽しくなるでしょうか?

 

今日はここまで。

 

こちらの本もぜひ読んで見てください。

 

学んだことで生き方を変えよう!そして一歩を踏み出そう!

 

===最後まで読んでくれたあなたに===

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