人それぞれ大切にしているものは違う。上質世界とはなにか?
こんにちは。
すずきだいきです。
お寿司食べたい。焼肉とか美味しいものいっぱい。でも、働きたくないな。
だいき
人はみな、生まれてから今この瞬間にいたるまでに、
- 見たもの
- 聞いたもの
- 経験したもの
- 想像したもの
の中から、自分にとって肯定的で「気分がよくなるもの」を記憶して保存しておくアルバムのようなものを持っています。
選択理論では、このアルバムを”上質世界”、その中にある具体的な記憶を”イメージ写真”と呼んで、人の行動のしくみを説明しています。
上質世界を知ると、
- なにによって自分が満たされるのか?
- なぜ、人と自分とで目に映る世界が違うのか?
- 違いがあるのだから、お互いに歩み寄って調整する必要がある。
ということがわかるようになります。
ここでは人間を動機づけている、その人固有のイメージ写真、上質世界(quality world)について解説します。
目次
上質世界にはなにがあるか?
上質世界の中には、
- いっしょにいたいと思う”人”
- 最も所有したい、経験したいと思う”モノ”
- 行動の多くを支配している”考え”や”信条”
が、イメージ写真として保存されています。
すごくざっくりといえば、頭の中に形成されている個人的なユートピア(理想郷)だそうな。
人は上質世界にあるものに興味を持ち、上質世界にあるものを求め、上質世界に近づくと気分がよくなります。
「これさえあれば幸せ!!」と思えるものが詰まっている場所、と言ってもいいかもしれません。
上質世界の特徴
上質世界は肯定的なもので満ちている
上質世界にあるイメージ写真はすべて、自分がそれまでに見たり聞いたり経験したものの中で、肯定的な価値や快適な感情を生み出したことがあるものです。
私たちの願望が詰まっている理想の世界ですからね。
否定的なものは一切ありません。
上質世界は基本的欲求を満たすもので構成されている。
グラッサーは、「人はそれぞれ遺伝子の指示に従い、5つの基本的欲求を満たそうとして行動する」と語りました。
5つの基本的欲求
- 愛・所属の欲求
- 力の欲求
- 自由の欲求
- 楽しみの欲求
- 生存の欲求
しかし、実際には「よし、楽しみの欲求を満たそう!」とか「力の欲求を満たそう!」といって行動するわけではありません。
現実の場面では、基本的欲求を具体的に満たす上質世界にあるイメージ写真に近づくように行動しています。
たとえば、本を読むのは、楽しみの欲求が満たされるからです。
基本的欲求を少なくとも1つ以上満たすものが、イメージ写真として上質世界の中に貼り付けられています。
上質世界に近づくと気分がよくなる
私たちの各々にとって、上質世界は個人的なユートピア、それに近づいていけば直ちに気分がよくなる場所である。上質世界のイメージ写真を満足させることに成功すればいつでも楽しく、失敗すればいつでも苦痛を味わう。
引用:ウィリアム・グラッサー『グラッサー博士の選択理論 幸せな人間関係を築くために』
誰でも上質世界にあるイメージ写真(人・もの・信条)に近づくと、気分がよくなります。
逆に遠ざかれば、苦痛を味わうことに。
上質世界とは、単純に言いかえると「願望」のことです。
この自分の中にある上質世界に近づくことが人間の行動理由、動機付けであるわけですね。
上質世界は生まれてから後天的に造られたもの
基本的欲求は誰もが持っていて遺伝子に刻まれているものです。
その人固有のプロフィール(どの欲求の値が高いか低いか)が変わることはありません。
つまり先天的なものです。
一方上質世界は、生まれてから
- 見たり
- 聞いたり
- 経験したり
- 想像したり
したものから形成される後天的なものです。
誰ひとりとして同じ上質世界を持っている人はいません。
人は自分の欲求を満たそうとして、絶えずこの上質世界を創造しています。
上質世界は貼りかえられていく
前記と重なりますが、上質世界というアルバムにあるイメージ写真は貼りかえられていく性質があります。
自分にとってどれだけ欲求充足の役に立つかによって、入れ替えられたり、あるいは、剥がされたりもします。
昔は仲良くしていたけど、最近はお金しか求めてこないなんていう友達がいると、その人は剥がされちゃうわけです。
ただ、多くの場合、上質世界にあるイメージ写真を剥がすときには苦痛をともないます。
というのも、上質世界の中にあるどんなものであれ、過去に自分を満たしてくれたものだからです。
自分を満たしてくれていたものが、今はそうではないと諦めることには苦痛がともなうのです。
なので多くの場合、自分の願望(上質世界)を満足させてくれなくなったとしても、しばらくはそのイメージ写真を持ち続けるということがあります。
上質世界をコントロールできるのは本人だけ
上質世界のアルバムにあるイメージ写真を張り替えることができるのは、その人本人だけです。
他の人がどう声をかけたり、強制しようとしても、本人がそれに同意しなければ、それは変わりません。
上質世界は知識欲、美欲、食欲、性欲など人間が持つ本能的向上心であり、絶対に侵されたくない防衛本能が働く領域と考えると理解しやすくなります。
引用:青木仁志、柿谷正期『人生を幸福に生きる法』p.76
自分の中にある上質世界を他の人に強制しようとするとき、誰かの上質世界を非難するとき、人間関係は壊れていきます。
自分にとって大切なものを否定されたら、それを守らなきゃと防衛本能を働かせて、逃げたり、反発したりするからです。
上質世界には、非道徳的なものも含まれている
上質世界の中には社会通念上、上質とはいえないものも含まれます。
たとえば
- ギャンブル
- 酒、タバコ、ジャンクフード
- 薬物
といったものです。
基本的欲求のいずれかを満たすものであれば、人はそれを上質世界の中に入れてしまいます。
結果として、その人の人生のコントロールを難しくするようなものであったとしてもです。
上質世界は一度貼られてしまうと剥がすことが大変なので、そのことを注意して行動を選択していく必要がありますね。
人は上質世界の中にあるもののみに興味をしめす
選択理論では、人間は外側の刺激に反応して行動するのではなく、内側から動機づけられて行動していると説明します。
人間を内側から動機づけているものとはなんでしょうか?
それが、”5つの基本的欲求”であり、それを具体的に満たす”上質世界”です。
この上質世界のアルバムに貼り付けられているイメージ写真に近づくように、人は行動しているのです。
グラッサーは「人は上質世界の中にあるもののみに興味をしめす」と語りました。
上質世界は情報を取り入れるフィルターの役割を果たす
上質世界は、人が現実から情報を取り入れる時のフィルターの役割も果たしています。
友達と同じところを歩いていても、その場面で記憶に残るものが違うのは、その人が上質世界にある”価値あると認めたもの”を優先的に注目しているからです。
上質世界は、人の興味関心と深く関わっています。
相手の上質世界に目を向けることによって手に入るもの
お互いの関係を近づけてより良い人間関係を築いていくためには、相手の上質世界に関心を示していくことが有効です。
相手が自分にとって大切なものに興味をもってくれたり、それを喜んでくれたりすると、私たちはその人を近く感じます。
人が行動をするのは、自分の上質世界にあるものに近づこうとするからです。
相手の上質世界に入る努力をすることで得られるもの
外的コントロール心理学を信条としている人は、自分自身の願っていることを相手に強制することによって、自分の欲求を満たそうとします。
しかし、そうすることによって短期的にはその通りになったとしても、相手の上質世界にあるイメージ写真とあわずに、それを攻撃してくる危険な人と認識されるので、自分に対する信用と影響力を失っていくことになります。
逆に選択理論を理解した人は、相手の上質世界に入り続ける努力をします。
自分を「支援してくれる人」と認めてもらうことによって、相手に対する影響力をもつことができるようになります。
上質世界は人それぞれ違う。だからこそお互いに歩み寄って調整する必要がある。
上質世界は人それぞれ違います。
だからこそお互いに必要なことを調整する必要があります。
なにも言わなくても同じことを考え、同じことを大切にしているということは、コミュニケーションにとって心地よく、大切な要素ではありますが、すべてを同じ目線で見ていると思うと問題が起こります。
絶えず、お互いの上質世界の違いに目をとめつつ、それを調整する力をもつことができたら、人と人とのコミュニケーションはもっと快適なものになるはずです。
まとめ
人はみな、上質世界にあるものに近づくように行動しています。
だいき
選択理論を知ると、自分で選択しない限り、自分の外側にある力によって支配されることはないということを理解できるようになります。
また、人を外側からの圧力によって本当の意味で変えることができないこともわかります。
なぜなら、自分の上質世界を変えることができるのは、自分だけだからです。
自分だけの上質世界、自分の人生をよりよく、そして快適にするものを入れていきたいですね。