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やり抜く力こそが結果を生み出す。成功者たちの共通点。

 
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ウェルビーイング・ライフコーチとして、身体的・心理的・社会的に充実した生活を送るための心理教育とコーチングを行なっています。

●ウェルビーイング心理教育ナビゲーター
●TCS認定コーチ

今日は一冊の本の紹介をします。

『やり抜く力 人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』

 

近年、アメリカの教育界ではグリット(やり抜く力)が注目を集めています。

 

なにかを成功させていくために必要なもの。

 

それはIQ生まれつきの才能ではなく、「やり抜く力」である。と、心理学者のアンジェラ・ダックワース氏は提唱します。

 

著者:アンジェラ・ダックワース

アンジェラ・ダックワース氏はそのグリット研究の第一人者です。

 

ハーバード大学を卒業後、マッキンゼーで経営コンサルタントとして働き、公立中学の教員を経て、オックスフォード大学で修士号、ペンシルバニア大学大学院で心理学の博士号を取得という超一流の経歴の持ち主。

現在ペンシルバニア大学で心理学の教授として活躍されています。

 

そんなアンジェラ氏ですが、2013年にはマッカーサー賞を受賞しました。

 

みなさんはマッカーサー賞をご存知でしょうか?

アメリカではノーベル賞に匹敵するほど名誉な扱いを受ける賞で、別名天才賞とも呼ばれています。

 

ノーベル賞は過去の業績に対して送られるのですが、マッカーサー賞は詳細のポテンシャルに対して送られるという意味合いも強いのだとか。

このグリット研究での功績が認められたということでもありますが、さらなる期待が寄せられているということかもしれません。

 

「特別な才能が、卓越した成果を生む」というのは本当に真実か?

多くの人たちが、なにか特別な成功を収めている人を見て、

 

あの人は才能があったんだね。

特別な星の下に生まれてきたんだね。

 

と言います。

 

職場においても、学校においてもそんなことが普通に語られます。

 

しかし、実際はそんな生まれつきの才能よりももっと大切なことをアンジェラ氏は見出しました。

 

脱落していくエリートたち

毎年大勢の学生が米国陸軍士官学校(ウェストポイント)という、全米からエリートが集結する軍事教育の学校に志願をします。

 

14000人の入学志願者は、まず推薦状をもらうことができるかで4000人へ絞りこまれます。その後学力と体力で入学に適当と判断されるのは2500人、最終的に入学を許可されるのは1200人と、他の最難関大学にまったく引けをとらない非常に狭き門です。

 

入学する生徒たちは、各学校を代表するスポーツ選手で、大半がキャプテンを務めています。

 

学校の入学審査では、厳しい訓練と任務に耐え、たくましくやっていける資質を持つ人物を選定します。

 

入学事務局では各志願者について「志願者総合評価スコア」を算出していました。

・ 大学進学適性試験のスコア
・ 高校での成績順位
・ リーダーとしての資質の評価
・ 体力測定のスコア

 

このスコアはその士官学校における4年間のさまざまな試練を乗り切るための能力を、各志願者がどれだけ持っているかを判断するための良い材料だと思われました。

 

少なくとも学校ではそう考えていたのです。

 

しかし、入学後家族や友人を含め外部との接触を一切絶って行われるビーストという7週間の訓練での生き残りを予想する決め手とはなりませんでした。

 

その厳しさから訓練の途中で脱落していく人たちが大勢出ます。

 

不思議なことに、そこで入学時に最高評価を受けていた士官候補生たちは、ほかの最低スコアで入ってきた候補生たちと同じくらい、中退する確率が高かったというのです。

 

いかに体力や能力があるか?

いかにリーダーシップがあるか?

 

では、計れない部分があったということですね。

 

才能があっても足りなかった態度

訓練の途中で辞めていった人たちに足りなかったものは一体何だったんでしょうか?

 

それは才能ではありませんでした。

 

そうではなく、「絶対に諦めない」という態度だったのです。

 

才能があれば、困難を簡単に乗り越えられるわけではありません。

 

才能があったとしても、それを難しい現実に適応して、困難を乗り越えられる忍耐力がなければ、無駄になってしまうこともあるのです。

 

業界屈指の人たちへのインタビューで上がった共通点

「成功の心理学」を研究していたアンジェラ氏は、業界屈指のビジネスパーソン、アーティスト、アスリート、ジャーナリスト、学者、医師、弁護士インタビュー調査を行います。

 

「業界トップの人々のお名前を挙げてください。」
「どんな人たちですか?」
「その人たちには、どんな特徴があると思いますか?」

 

インタビューでは多くの業界ならではの特徴が出てくる一方で、ずば抜けた才能に恵まれながらも、能力を十分に発揮しないうちに、挫折したり、興味をなくしたりしてやめてしまった人たちのことが言及されました。

 

そんな中、成功する人の共通点が浮かび上がってきました。

 

 顕著な功績を収めた人たちはみな、粘り強さの鑑のような人だったのだ。なぜそこまで一心不乱に、仕事に打ち込むことができたのだろうか?そもそも彼らは自分の目指している大きな目標に、簡単にたどり着けるとは思っていなかった。いつまでたっても、「自分などまだまだだ」と思っていた。まさに自己満足とは正反対だった。

しかしそのじつ、彼らは満足しない自分に満足していた。どの人も自分にとってもっとも重要で最大の興味のあることをひたすら探究していた。そして、そんな探究の道のりにーーその暁に待ち受けているものと同じくらいーー大きな満足をおぼえていた。つまらないことや、イライラすることや、つらいことがあっても、あきらめようとは夢にも思わなかった。彼らは変わらぬ情熱を持ち続けていた。

要するに、どんな分野であれ、大きな成功を収めた人たちには断固たる強い決意があり、それがふたつの形となって表れていた。第一に、このような模範となる人たちは、並外れて粘り強く、努力家だった。第二に、自分が何かを求めているのかをよく理解していた。決意だけでなく、方向性も定まっていたということだ。

このように、みごとに結果を出した人たちの特徴は、「情熱」と「粘り強さ」をあわせ持っていることだった。つまり、「グリット」(やり抜く力)が強かったのだ。

引用:『やり抜く力 人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』

 

人生はIQや才能では計れない。本当に必要なのは「やり抜く力」だ!

アンジェラ氏は、グリット・スケールという「やり抜く力」を計測するテストを開発してビーストの2日目に士官候補生たちに受けさせました。

 

当初、グリット・スコア(「やり抜く力」の強さを示す数値)は、成績評価と一致するのではないかと考えていたアンジェラ氏でしたが、蓋をあけてみると、入学時にあれだけ丁寧に算出した志願候補生総合評価のスコアとは、なんの関係も見られませんでした。

 

これは彼女自身にとっても大きな驚きでした。

 

私たちは才能がある人こそ、努力をして頑張ると結果を出せるのだから、諦めずに頑張ろうとするはずだと、普通に考えます。

しかし、実際はそんなことはなかったのです。

 

ビースト最終日までに71名が脱落します。

 

その中で脱落した人たちと、訓練を耐え抜いた人たちでは、グリット・スコアには如実に違いがありました。
翌年も同じように調査をしましたが、結果は明白でした。

 

厳しい訓練に耐え抜き、結果を出すために重要なのは、リーダーシップの高さでも、運動能力や志願者総合評価スコアでもなく、「やり抜く力」だったのです。

 

アンジェラ氏はこのテストを用いて、営業職の人たち、シカゴの公立学校の生徒、学士、修士や博士をとった人たちなど、さまざまな対象に向けて調査を繰り返しました。

 

しかし、結果は同様です。

 

営業職の人たちの仕事の定着とトップセールスを予測するためには、「外交性」「情緒の安定」「誠実性」などの性格テストの調査よりも「やり抜く力」のほうが適切な結果が出たのです。

 

シカゴのとある公立高校では、2年生時にグリットを含むテストを実施をして、卒業時に追跡調査をしました。その時までに12%の生徒は高校を中退していましたが、無事に卒業した生徒たちは、やはり「やり抜く力」が強いことがわかりました。

 

アメリカ人を対象とした大規模調査でも、大学を卒業して学士を取得した人たちよりも、修士、博士などの学位を取得した人たちのほうが「やり抜く力」が強かったのです。

 

読んでみて思ったこと

さて、ここまでが簡単な「やり抜く力」(グリット)のさわりの部分のご紹介です。

 

読んでみて、最高に面白い本でした。

 

そして、この本読むとやる気が湧いてきますね。

 

だって、才能を越えられるってことが明確に、しかも一つの事実であることが研究結果としてまとめられてるんですもん。

 

個人的には、

「あ、もっとブログ書こう!」
「最終目標をずらさずに、そこに向かうことだけをやろう!」

と、強く思わされました。

 

やり抜く力とはいったいなにか?

アンジェラ氏が「グリット」(やり抜く力)と用いている表現は二つの部分から構成されています。

 

一つは情熱。もう一つは粘り強さです。

 

情熱

 あなたも実際にグリット・スケールに回答して、「情熱」に関する質問のなかで、目標に対してどれくらい「熱心」に取り組んでいるかをたずねる質問は、ひとつもなかったことに気づいただろうか?「情熱」という言葉は、激しい感情を表すのに使われることが多いので、不思議に思うかもしれない。多くの人は「情熱」を、「夢中」や「熱中」と同じような言葉だと思っている。

しかし、偉業を成し遂げた人たちに、「成功するために必要なのものは何ですか?」とたずねると、「夢中でやること」や「熱中すること」と答える人はほとんどいない。多くの人が口にするのは「熱心さ」ではなく、「ひとつのことにじっくりと長い間取り組む姿勢」なのだ。

引用:『やり抜く力 人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』

 

ここで言われている「情熱」とは、ただ本気であるとか、夢中になっているということではありません。

 

ひとつのことにじっくりと長い間取り組む姿勢。のことなんだそうです。

 

「ああ、なるほど、そういうことか」と思わされました。

 

情熱といっても、すぐに冷めるものは本物とは言えません。

熱中していたとしても、その場限りであればそれも違います。

 

その瞬間、すぐには見えない結果を先に見ながら、今の色々な訓練や経験に意味を見出し、そのところに立ち続ける姿勢と取り組みこそが、本当の情熱なんですね。

 

粘り強さ

そして、もうひとつが「粘り強さ」です。

 

・ 挫折しても簡単にめげない
・ 努力家である
・ いちど始めたものは、必ずやり遂げる
・ 勤勉で、諦めない
・ 重要な課題を克服するために、挫折を乗り越える

 

といったことが本の中であげられていることでした。

 

究極的関心に向かって

そしてもう一つ、本の中で述べられていた重要なことがあるとすれば、その情熱粘り強さがその人の究極的な関心に向かって機能していく時、大きな成功につながるということでした。

 

ただ目の前のものを「ものすごく頑張る」のとは違う。

 

自分にとってかけがえのないことに取り組んでこそ発揮されるのが「やり抜く力」なんだってことですね。

 

まとめ

ぼくは自分に対して、人より突出した才能があるとは、あまり感じていません。

 

でも、色んなことをコツコツやってきて、人よりなにかアイデアが出るようになってきたり、考えが整理されたりということがあったなということを、本を読みながら思い起こすことができました。

 

本当に結果を出す人は、ただ才能がある人じゃなくって、目標が明確でやり抜く情熱粘り強さがある人であること。

 

一流の人は当たり前のことを、死ぬほど愚直に本気で取り組んでいるってこと。

 

ぼくは、行動が人を変える以上に、その人の信念と確信が人の行動を変えるということを信じています。

 

そして、この本を読んで、その確信の部分に「やり抜く力」(グリット)が完全に入りました。

 

だから、自分の生き方がさらに楽しみになった気がします。

 

是非皆さんも読んでください!

学んだことで生き方を変えよう。そして一歩を踏み出そう。

 

本の紹介

書名

『やり抜く力 人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』

著者

アンジェラ・ダッグワース

目次

Part 1 「やり抜く力」とは何か?なぜそれが重要なのか?
第1章 「やり抜く力の秘密」
〜なぜ、彼らはそこまで頑張れるのか〜
第2章 「才能」では成功できない
〜「成功する者」と「失敗する者」を分けるもの〜
第3章 努力と才能の「達成の方程式」
〜一流の人がしている当たり前のこと〜
第4章 あなたには「やり抜く力」がどれだけあるか?
〜「情熱」と「粘り強さ」かわかるテスト〜
第5章 やり抜く力は伸ばせる
〜自分を作る「遺伝子と経験のミックス」〜

 

Part 2 「やり抜く力」を内側から伸ばす

第6章 「興味」を結びつける
〜情熱を抱き、没頭する技術〜
第7章 成功する「練習」の法則
〜やってもムダな方法、やっただけ成果の出る方法〜
第8章 「目的」を見出す
〜鉄人は必ず「他者」を目的にする〜
第9章 この希望が背中を押す
〜「もう一度立ち上がれる」考え方をつくる〜

 

Part 3 「やり抜く力」を外側から伸ばす

第10章 「やり抜く力」を伸ばす効果的な方法
〜科学では「賢明な子育て」の答えは出ている〜
第11章 「課外活動」を絶対にすべし
〜「1年以上継続」と「進歩経験」の衝撃的な効果〜
第12章 まわりに「やり抜く力」を伸ばしてもらう
〜人が大きく変わる「もっとも確実な条件」〜
第13章 最後に
〜人生のマラソンで真に成功する〜

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